医療従事者KeiSのブログ

医療の科学的根拠をテーマにしたブログです。 柔道整復師が勉強のために研究論文を読んで記事にしています。

ミラートレーニングを健常者がやったらどうなるのか?って研究



今回はミラートレーニングと健常者について

皆さんはミラートレーニングをご存じでしょうか?

一般的には、神経系の疾患を持つ人のリハビリに使われるトレーニングなのですが、解釈次第で健康な人にこれを実施しているケースを聞いたことがあります。

ミラートレーニングは鏡を工夫して使って行われるもので、正面の鏡を見ながらやるトレーニングとはまた違った意味を持つトレーニングのことです。

これが健常者に有効なのか?を調べている研究を紹介します。

研究の内容

ミラートレーニング(MTr)は、神経疾患の患者のためのリハビリテーション技術です。

健康な人の運動機能への影響についてのコンセンサスはありません。

この系統的レビューとメタアナリシスは、健康な個人の運動機能に対するMTrの影響を考慮しているものです。

538人の健康な個人を対象とした14件のランダム化比較試験が対象となりました。

2つの短期研究は、MTrが受動的視覚パターンより劣っていることを示しました

方法はさまざまであり、3つの代替トレーニングパターンと比較してMTrの有効性を裏付ける証拠は限られており、年齢、スキルレベル、または手の優位性の分析を裏付ける証拠は不十分とされています。


結論として、MTrが健康な個人の運動能力に影響を与えるという限られた証拠は弱く、研究間で一貫性がありません。

運動能力に対するMTrの影響が、直視パターン、受動視パターン、または行動観察よりも顕著であるかどうかは不明です。

MTrの短期的および長期的な利点と、健康な個人の運動学習に対するその影響を調査するには、さらなる研究が必要です。


考察

筋肉や神経にアプローチする、というよりは脳にアプローチすることも考えられた方法なミラートレーニングです。

レーニングによる"奇跡"を求める人が手を出しそうな内容だなぁ~と思って読んでいましたが、確かに研究者のコメントと同じように結果に不透明性があるため何とも言えないのが現状なのだと思われます。

スポーツ競技者や熟練したミュージシャンで効果的な研究結果などがあるため、それらを読んで取り入れたりしているようですが、ミラートレーニングと鏡を使った別の方法のトレーニングとで大きな差がなかったりとで何とも言えません。



ミラートレーニングや研究で行われたアクティブビジョントレーニングとパッシブビジョントレーニングなど"鏡"を上手く使ったトレーニングが功を成すかどうかははっきりと言えないということです。

よって、ベースのトレーニングにプラスするぐらいな要素しかない、と思っていただいた方が良いのかもしれません。


まとめ

ミラートレーニングを健常者がやることに対する効果、というものははっきりと言えないということだそうです。


元ミュージシャン(ヴォーカル、ピアノ)としては、この方法に近いトレーニングをやっていましたが、何の効果もなかったという体験談があります。

やりたければどうぞ、ぐらいだと。

Chen Y, Wang P, Bai Y, Wang Y. Effects of mirror training on motor performance in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open Sport Exerc Med. 2019;5(1):e000590. Published 2019 Dec 4. doi:10.1136/bmjsem-2019-000590

【まとめ】エビデンスから理解する腰痛について【13選】

 

今回は腰痛を理解したい人が見るべき知識について

これまで、腰痛に関して多くの研究などから、勉強させて頂き記事にしてきました。

臨床では学ぶことの出来ない内容などもありますので、臨床現場に立つ医療従事者にも見て頂きたいですし、腰痛に困っている人は自分の対処法の戦略に役立っていただければ何よりです。

そんな腰痛に関するおススメ記事を以下にまとめます。


腰痛のことをキチンと理解したいなら


ガイドラインといって、各研究などから結果を纏めて、腰痛の診方の指針を表してくれているものから紹介している記事です。



上の記事よりは内容をしっかりと書いてある記事です。



腰痛の検査をする人が見てみるべき記事


腰痛を評価する方法というものは、何故か色々な確認の仕方があるのですが、根拠性が乏しい確認方法を使わないようにするためにも、この方法をおススメします。


治療方法に関するエビデンス一覧



MET法という手技療法のエビデンスとなります。

セルフマッサージなどでも出来なくもないですが、やらなくていい理由を記事にしています。



使える方法なのですが、誰かに管理してもらわないといけない方法となっています。

自分の行動にキチンとスケジューリングが出来る人なら出来るかもしれません。



痛みに困っているなら使っても期待できない方法となっています。

体の動きの一部に変化が起きる可能性がありますが、お金を出してまでやる方法なのか?という疑問があります。



これをやっている人と一緒に仕事をしたことはないのですが、有効だったという体験談も耳にしたことがありません。

そう思っていたら研究により、そのことがしっかりと結論づけされていました。



どのぐらいの期間腰痛に困っているのか?で効き方が違う可能性があるとのこと。

ギックリ腰の時に利用しようか?とはならないかと。



それぞれのやらなくてもいい理由が簡潔にしか書いていませんが、この内容の方法があまり効果を期待できないとされています。

もし、それで効いていたとしても変数やプラセボ効果などのことを考慮しなければならないため、推奨出来る方法ではないとのこと。




寧ろやった方がいい治療方法とされているものです。

対応するかどうかは期間や原因によりますが、気になる人はぜひ。




国が違うと考え方が異なることはあるあるなので、ドイツで推奨されているものを参考にしてみたのですが、やらなくていい治療方法のことの方が勉強になる内容でした。



腰痛対策にピラティスはおススメ出来る方法の1つですが、通う頻度について違いがでるかを調査していたものです。



タイトルのままですが、医療従事者として患者が何を望んでいるのか?ということを知るのは非常に難しいことです。

聞いても嘘つかれることもあるからなのですが、こういったベースがあると質問も変わってくるのではないでしょうか?






アキレス腱障害があると腓腹筋の硬さはどうなるでしょうか?って研究

 

今回はアキレス腱障害と腓腹筋の硬さについて

皆さんはアキレス腱に何らかの障害が起きた場合、腓腹筋は硬くなると思いますか?

筋肉において、筋力というのは有用なバイオマーカーとなるため臨床でも筋力を調査することに意義はあります。

アキレス腱は腓腹筋とヒラメ筋から成るものでもあるため、これらの筋肉の状況とアキレス腱障害の関連性は無視することが出来ません。

その関係性を調査した研究を紹介します。

研究の内容

この研究の目的は、アキレス腱障害と診断された患者の腓腹筋の硬さの定量値を確立することになります。

片側性アキレス腱障害および無症候性グループと診断された患者の単一(横断的)時点でのケースコントロール研究となります。

50人の参加者のサンプルを対象とし、症候性の片側性アキレス腱障害(症候性グループ)の25人の参加者で、このグループの無症候性側を対照として使用しました(対照グループ1)。無症候性のアキレス腱を持つ25人の参加者の3番目のグループ(対照グループ2)。MyotonPROを使用して、

・自然振動周波数(F)
・動的剛性(S)
機械的応力緩和時間(R)
・対数減衰率(D)
・クリープ(C)

などの機械的剛性パラメーターを評価しました。

内側および外側の腓腹筋での測定は、非体重負荷(NWB)および体重負荷(WB)として行われました。


結果として、
・自然振動周波数(F)
・動的剛性(S)
・クリープ(C)

についてWBおよびNWB条件で、平均症状群と対照群1、2の間に有意な差が観察されました。

症候性グループNWBのSWBが大幅に減少し、逆にSが大幅に増加しました。
クリープ(C)と機械的応力緩和時間(R)は、症候性グループNWBで有意に少なかった。

対数減衰率(D)について、NWBデータセットとWBデータセットの間に有意差が観察されました。

NWB Dは、WB条件よりも有意に高いスコアを示していました。

結論として、障害のアキレス腱を持つ人の腓腹筋は柔らかく、筋収縮しても柔らかいということだそうです。


考察

別の研究にて、

・姿勢の揺れと筋緊張の実験では弾性に変化なし
・不安定な状態と安定している状態で腓腹筋の剛性に差は無い

とあります。

さらに、腓腹筋とアキレス腱を対象としたプライオメトリックトレーニングと等尺性トレーニングを比較する実験では、

・プライオメトリックでは、筋肉のこわばりが増加
・等尺性トレでは、筋肉のこわばりに変化なし

とあるため、アキレス腱のみのリハビリとして等尺性トレを採用している場合は、腓腹筋を対象と見なしていない可能性があります。

上述の研究にもあったことと、膝蓋腱障害の例も加味すると皮質脊髄路に興奮性の反応が起きている可能性があります。

こうした皮質脊髄路の変化は、筋肉の保護、負担軽減活動に関わっていることが示唆されていました。


まとめ

臨床ではここまで細かく見ている人はいるのか?と疑問にも思いましたが、各種検査器具などにより詳細をデータ化したい人には、確認してみて欲しい内容となりました。

そうでなく、単に臨床に活かすとなれば、腱障害が起きている腓腹筋にどういったアプローチが適切なのかは分かっていただけたかと。

マッサージでは解決できないこともありますよね。


Morgan G, Martin R, Welch H, Williams L, Morris K. Objective assessment of stiffness in the gastrocnemius muscle in patients with symptomatic Achilles tendons. BMJ Open Sport Exerc Med. 2019;5(1):e000622. Published 2019 Oct 18. doi:10.1136/bmjsem-2019-000622

【4択問題】筋骨格系障害を診る人なら満点?【30問】



今回は筋骨格系障害を理解するための知識について

皆さんはどのぐらい筋骨格系障害についてご存知でしょうか?

一応、柔道整復師という資格を持つ私にとって、筋骨格系障害は取り扱う業務の主な分野になりますが、まだまだ知らないことだらけなので勉強するべきことが沢山あります。

今回紹介する研究では、医学生に対し筋骨格系障害の理解がどのぐらいあるのか?という質問ツールに関するものです。

実際の問題を記述しますので、解いてみてください。


問題

①41歳の女性が、左肘の痛みと腫れがあると訴えています。彼女は数日前に肘に刺し傷を負ったと報告しているが、大きな外傷は否定しています。試験では、彼女の肘は紅斑性であり、触診に非常に柔らかく、肘の側面に深い穿刺傷が見られます。能動的および受動的な可動域は、痛みによって著しく制限されます。38℃の体温、他にも注目するべきバイタルサインはありますが、管理における最善の方法は以下から何でしょうか?

A)抗生物質を処方する。

B)コルヒチンとアロプリノールで治療

C)関節穿刺

D)相対的な休息、氷、およびNSAID



2)22歳の男子サッカー選手が手を伸ばしたまま転倒。彼は翌日、手首の痛みを訴え来院しました。臨床試験では、解剖学的嗅ぎタバコに異常はありますが、手首のX線画像検査は陰性となります。以下の選択肢のうち、管理における最善の方法は以下の何でしょうか?

A)外科的管理のための整形外科への即時紹介

B)痛みに対する相対的な休息とNSAIDの投与

C)短腕親指スピカキャストと2週間のフォローアップ

D)6〜8週間のロングアームキャスト


3)17歳のラグビー選手が、相手のショートパンツに薬指をはさみ、すぐに痛みを感じました。検査では、DIP薬指に腫脹があります。DIP関節の屈曲に異常が起きていますが、試合後に施される処置で適切な方法は次の何になるでしょうか?

A)症状が解消するまで、薬指を中指にバディテープで留めます

B)スプリント固定で6週間様子を見ます

C)整形外科へ紹介

D)2週間の相対的な休息と再評価


4)先週、43歳の男性が腰痛を悪化させて来院。痛みは腰部にあり、重度であることが指摘されています。臨床検査では、骨の圧痛はありませんが、両側の大腿部の内側の感覚が低下しています。その後、2日間の溢流性尿失禁が明らかになりました。管理における最も適切な次の方法は何ですか?

A)NSAIDと2週間以内のフォローアップ

B)理学療法

C)コルチコステロイド注射

D)緊急MRI検査


5)16歳の女性の長距離ランナーが、左側の膝前部の痛みで来院。彼女は、痛みは膝蓋骨の下にあるように感じ、階段を上り下りしたり走ったりすると悪化すると言います。この状態の最も適切な管理方法は何でしょうか?

A)根本的な原因と対象を絞った理学療法に取り組む

B)今すぐMRI検査を受けるように提案する

C)外科的管理のための整形外科への紹介

D)2週間のストレートニーイモビライザーと徐々に活動を再開する


6)18歳のサッカー選手が、試合中に足と足首を踏まれ負傷しました。足に体重をかけることができますが、中足部にかなりの痛みがあります。病歴と身体検査に関する次の所見のうち、X線検査の適応となるのはどれでしょうか?

A)負傷した足/足首に体重がかかる痛み

B)患部の触診に対する圧痛

C)腓骨より遠位の外側足の圧痛

D)内側くるぶしの前面の圧痛


7)28歳の女性が右の手首の痛みを訴えています。それは橈骨の遠位に痛みがあり、臨床検査では、親指を握りこぶしで握った手首の強制尺骨偏位が患者の痛みを再現します。最も可能性の高い診断は次のどれですか?

A)第1手根中手関節(CMC)関節の関節炎

B)遠位橈尺関節離開

C)ドケルバン病の腱滑膜炎

D)三角線維軟骨複合体損傷


8)17歳のフットボール選手がタックルされ、左肩地面に打ち、痛みを感じています。痛む箇所を尋ねると、彼は肩の側面を指しました。臨床検査では、受傷側の腕で体を横切って手を伸ばそうとすると、彼の痛みが再現されます。最も可能性の高い診断は何ですか?

A)三角筋の裂傷

B)肩鎖関節捻挫

C)腱板断裂

D)関節唇の裂傷


9)高血圧、高脂血症前立腺癌の既往歴のある64歳の男性が、何度も睡眠から目覚めるほどの腰痛を訴え来院。理学検査では主だった特徴はありません。管理における次の最善の方法は次のどれでしょうか?

                                                                                                                               

A)理学療法

B)NSAIDの投与

C)脊椎の画像検査

D)2週間の休息後にフォローアップ


10)18ヶ月の幼児は、過敏性、101.5°Fの発熱、歩行または体重負荷を拒否したために救急科に搬送されました。乳児は右腰を動かすことを拒否し、受動的な動きで泣きます。股関節の超音波検査では、関節に水腫が確認されました。以下の中から、最も可能性の高い診断は何ですか?

A)敗血症性股関節

B)一過性滑膜炎

C)ペルテス病

D)股関節の発達性異形成


11)マラソンのフィニッシュライン近くで男性が倒れ、救護ブースに搬送されました。臨床検査では、彼は混乱していて、熱感と乾燥肌を呈しています。彼のコア温度は105°Fですが、管理における次に行う対処は何でしょうか?

A)30分で着く最寄りの救急科に搬送する

B)利用可能な最良の方法による即時冷却

C)静脈内輸液の投与

D)口腔液で水分補給する


12)高校のフットボール選手は、練習中に膝を負傷し来院しました。膝の検査で、中程度の滲出液が確認されました。膝の理学検査は他動的に痛みがあり、動きの制限も見られます。次のうちどれが鑑別診断の上位に含まれるべきですか?

A)ACL損傷

B)骨軟骨病変

C)内側半月板断裂

D)上記のすべて


13)脳震盪に苦しみ、症状が残っており、光過敏症と軽度の労作性頭痛を伴う運動選手がいました。次の兆候が確認できれば、プレーに戻ることができます。

A)症状は少なくとも2週間は改善されている

B)頭部の画像検査では正常

C)少なくとも1週間は休息しているからプレー復帰させる

D)症状がある間、復帰させない


14)42歳の女性が、3週間の右側前外側肩部痛を訴えて来院。夜間に患側を下に横臥位になると疼痛が悪化した。肩を90度前方に曲げ、強制的に内旋させると、痛みが再現されます。この状態の管理の最初に行うべき処置はどれでしょうか?

A)関節内コルチコステロイド注射

B)腱板断裂が疑われるため、MRI検査

C)関節鏡視下肩峰下滑液圧迫

D)日常活動の変更と理学療法


15)31歳の男性が、友人に引っ越しを手伝った後、2週間の腰痛があるため来院。彼は痛みを鈍いと説明し、びまん性であるが、足に放散痛はないと説明されました。臨床検査では、腰部の脊柱起立筋の圧痛のみが明らかになりました。管理における最も適切な方法は以下のどれでしょうか?

A)腰椎のX線検査

B)オキシコドン

C)硬膜外ステロイドを提案

D) 上記のいずれでもない


16)クロスカントリーを走る18歳の女性が、右側の深い部分の鼠径痛みがあり、1か月の間で悪化したため来院。体重を掛けた日常生活で痛みはさらに悪化すると訴えています。検査により無月経症とBMIが19であることに注目しました。次に行うべき最善の方法は何でしょうか?

A)各種画像検査

B)理学療法

C)NSAIDの処方

D)関節内コルチコステロイド注射



17)昨夜、25歳の男性が転倒し、脛骨骨折を負い外科的に修復されました。今日、足の痛みが増し、つま先がチクチクすることを訴えています。臨床検査では、熱がなく、患部の前方腫脹が確認できます。オンコールで整形外科医に相談するとき、最も心配しないといけないのは以下のどれでしょうか?

A)感染症

B)深部静脈血栓症

C)骨折の再置換

D)コンパートメント症候群



18)15歳の少女が自転車で転倒し、肩から落ちました。彼女は肩の動きに伴う激しい痛みを訴えます。鎖骨の中点に打撲傷と圧痛があります。X線検査は、変位していない中軸鎖骨骨折を示しています。この患者に最も適切な治療法は次のうちどれですか?

A)早期の可動域確保と快適さを目的としたスリング

B)外科的修復のための整形外科への紹介

C)骨折治癒が確認できるまで、4~6週間の固定

D)制限なしに許容される活動に戻る


19)21歳の男性は、昨日の激しい重量挙げトレーニングの後、激しい背中と脚の痛みと暗色尿を示しています。彼の初期クレアチンキナーゼ(CK)レベルは17,523U / Lです。この患者の管理における次の方法は何でしょうか?

A)積極的な水分補給

B)筋生検

C)NSAID投与

D)72時間後にCK値を再測定し、フォローアップ



20)最近テニスを始めた45歳の女性が、アキレス腱の両側に痛みを感じて来院。超音波検査では、中程度のアキレス腱障害を両側で確認できました。この状態の最も適切な初期管理は次のどれでしょうか?

A)外科的管理のための整形外科への紹介

B)コルチコステロイド注射

C)エキセントリックなエクササイズに焦点を当てたリハビリテーション

D)多血小板血漿注射


21)10歳のバスケットボール選手が来院し、左踵が徐々に痛み、ランニングやジャンプで悪化すると訴えています。臨床検査では、彼は腓腹筋からヒラメ筋複合体の緊張と踵骨圧迫による疼痛が確認されました。最も可能性の高い診断は以下のどれでしょうか?

A)シーバー病

B)踵骨疲労骨折

C)アキレス腱障害

D)足底筋膜炎



22)59歳の女性が、親指、人差し指、長指に2週間の痛みとしびれを感じ来院。夜は痛みがひどくなり、手首を振ったりフリックしたりすることで痛みが和らぐと言いました。手の検査によれば、母指球筋の萎縮が明らかになりました。管理における次の最良の方法は何でしょうか?

A)作業療法

B)コルチコステロイド注射

C)ライフスタイルの変更

D)整形外科への紹介


23)68歳の男性が、頸部神経根症と一致した右腕への放散痛と頚部痛が悪化し来院。次の臨床検査の結果の中で、どの兆候があれば専門医に即時紹介となりますか?

A)首を無理に伸ばすことで痛みが悪化する

B)下肢の反射亢進

C)側腕の軽い接触に対する感覚の低下

D)肩甲帯だけに痛みがある


24)24歳の男性は、数か月の腰痛を呈し、朝60分間続き、活動していると改善しますが、休息していても改善しません。臨床検査では、仙腸関節の圧痛とFABERテスト陽性となります。問診では倦怠感が増加しているとあります。この状態におけるX線所見の特徴的となるのは以下のどれですか?

A)仙腸関節の腸骨側の硬化症

B)S1上のL5の前方変位

C)過度の腰椎前彎

D)関節間部の骨折



25)  背が高く、腰が弱い13歳の少年は、漠然とした左膝の痛みと1週間足を引きずっています。臨床検査では膝の痛みと腰の内旋時痛を呈しています。管理における次の最適な方法は何でしょうか?

A)許容範囲内でスポーツに戻ることを許可する

B)理学療法を紹介し、4〜6週間でフォローアップする

C)関節吸引および滑液分析

D)すぐに体重負荷を掛けない状況を作り、整形外科を紹介する


26)12歳の少年が足首をひどく捻った。X線検査では、軟部組織の腫れのみを示しています。彼は腓骨の遠位面でのみ過可動性が見られます。靭帯捻挫に加えて、どのような診断を考慮する必要がありますか?

A)物理的外傷

B)シンデスモティック破壊

C)腓骨筋腱断裂

D)足根管症候群



27)21歳の男性は、第5中手骨頸部骨折と骨折の近位に3mmの創傷が確認できる外傷を判断しました。管理の次の方法で最適なのは何でしょうか?

A)クローズドリダクションとキャスティング

B)骨折の整復と経口抗生物質の投与後、副子固定

C)第5MCP関節の洗浄と創面切除

D)骨折の開放整復と内固定



28)32歳の男性がマラソンのトレーニングを開始し、2週間後、朝の最初の数歩で悪化し、日が経つにつれて良くなる左踵の痛みを経験しました。足のどの部分を確認することが、診断する手がかりとなりますか?

A)内側踵骨結節

B)アキレス腱の挿入

C)舟状骨結節

D)外側踵骨結節



29)高血圧、糖尿病、肥満のある62歳の女性が、慢性的な左膝の痛みで来院。膝の前後の体重負荷におけるX線検査では、内側関節腔の狭小化と骨棘の形成を示しています。次のうち、最も適切な初期管理はどれですか?

A)関節置換術のための整形外科への紹介

B)膝のMRI検査を追加

C)痛みが解消するまで体重負荷を制限する

D)減量と運動プログラムを推奨する



30)16歳の男性が競技に参加する前の身体検査の次の所見のうち、許可する前に追跡調査する必要がないものはどれですか?

A)138/89の血圧

B)バルサルバ法で強度が増加する収縮期心雑音

C)最近起きた脳震盪の病歴

D)26歳で突然亡くなった叔父の家族歴



解答


①C
②C
③C
④D
⑤A
⑥B
⑦C
⑧B
⑨C
⑩A
⑪B
⑫D
⑬D
⑭D
⑮D
⑯A
⑰D
⑱A
⑲A
⑳C
㉑A
㉒D
㉓B
㉔A
㉕D
㉖A
㉗C
㉘A
㉙D
㉚A

一部翻訳しきれていなかったり、誤訳していることもあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。


Cummings DL, Smith M, Merrigan B, Leggit J. MSK30: a validated tool to assess clinical musculoskeletal knowledge. BMJ Open Sport Exerc Med. 2019;5(1):e000495. Published 2019 Mar 1. doi:10.1136/bmjsem-2018-000495



まとめ 


実際に解いてみていかがでしょうか?

筋骨格系障害を取り扱う資格を持つ人にとっては、簡単に解ける内容だったのではないでしょうか?

研究では、22点が中央値で最高が27、最低で16点という結果だったようです。

国家試験みたいな内容で臨床に役に立たない、と思い込む人もいそうですが、案外にこういった思考力は臨床での判断に必要とされてきます。

この30問ですべてが判断できるわけではありませんが、この30問ぐらい解いてみろよ!的な内容の研究となりました。

マラソンに参加する人の怪我の危険因子とは?って研究

 

今回はランナーのケガの危険因子について

皆さんはランニングをしますか?

健康でいられるためにランニングする、ということはコストが掛からずに行え、時間も確保しやすい点から誰でも挑戦できる方法です。

しかし、ランニングすることに付きまとう不安として、怪我をしてしまうのでは?という考えがある人もいると思われます。

怪我をする危険因子として、何が考えられるでしょうか?

柔軟性?筋力不足?ランニングの頻度や強度?

それらを研究したものを紹介します。

研究の内容

研究の目的として、8kmまたは16kmのランニングイベントに備えたレクリエーションランナーの負傷発生率と、負傷リスクの増加に関連する要因を報告することにありました。

研究は、オランダのアムステルダムでの前向きコホート研究により報告されました。

参加者(n = 5327)は、距離(8kmまたは16km)、メインスポーツ、ランニング経験、以前の怪我、最近の酷使による怪我、および個人の特徴を判断するためのベースライン調査を受けました。

レースの3日後、彼らはトレーニング期間の長さ、1週間あたりの走行距離、トレーニング時間、テクノロジーの準備と使用中の怪我を決定するための追跡調査を受けました。

単変量および多変量回帰モデルを適用して、傷害の潜在的な危険因子を調べました。


結果として、1304人(24.5%)の参加者が調査を完了し、現在の健康上の問題、署名されたインフォームドコンセントがない、データの欠落または不正確な参加者を除外した後、706人(13.3%)の参加者を含めました。

計142人の参加者(20.1%)が、イベントの準備中に怪我をしたと報告しました。

単変量解析(OR:1.7、95%CI 1.1から2.4)および多変量解析(OR:1.7、95%CI 1.1から2.5)は、傷害歴がランニング傷害の重要な危険因子であることを示しました。


結論として、イベントに関連したレクリエーションランナーの負傷率は20%となり、危険因子として以前の怪我が関連していることが示唆されました。



まとめ

ランニングイベントなどに参加するランナーが、負傷する確率として20%程の人が負傷し、負傷する要因として過去に経験した怪我が考えられるという結果でした。


この研究では、初心者や熟練者との違いは差ほどない、ということでしたが、怪我がどれぐらい前に受傷したものなのかは不明ということでした。

しかし、ランニングに関する筋力や体の柔軟性といった点はあまり関係が無いようで、ランニングに参加する人が懸念するそういった点はあまり気にしないでも良さそうです。


もし、参加するランニングイベントがあるのであれば、現在抱える怪我がランニング後に影響する可能性があるため、それらを解決した方が良いかもしれません。

現状として怪我がない、という人はランニングを前向きに取り組んでも問題が無いのかもしれません。


Dallinga J, Van Rijn R, Stubbe J, Deutekom M. Injury incidence and risk factors: a cohort study of 706 8-km or 16-km recreational runners. BMJ Open Sport Exerc Med. 2019;5(1):e000489. Published 2019 Mar 7. doi:10.1136/bmjsem-2018-000489